*河村正敏先生のこと

学生の頃、わたしの詩の同人誌に、批評文を書いて頂いた先生がいる。

その頃先生に紹介された歌を、今でも3首程覚えている。

先生の知人が作られたとの事。

湖(うみ)に来て、

氷の裂ける音やまず

首ほそくして

抱かれん夜は

凍りつく

祈りも風に

千切られて

我の裸身が

空を飛びゆく

かなしみに

近づく群の

ひとりゆえ

我も廻せり

空の車輪を