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企業家の自伝

 今年に入って初めて自伝を読むようになりました。小さい頃は読んでいたのかもしれないけれど、野口英世の手の話とか断片的なストーリーは覚えていますから。今年になって読んだ人で、江副浩正さん(リクルート)、中内功さん(ダイエー)、本田宗一郎さん(ホンダ)、松下幸之助さん(松下電工)ですね。

 元々、彼らには興味をもっていて、僕が仕事を始めて、部下をもらったころは、もうすでに松下幸之助さんはかなりの年配でした、60歳くらいだったでしょうか。やはり彼が発表した事業部制が強烈で、印象に残っています。確か昭和8年に発表したのだと思いますが、それが非常におもしろいんですよね。どんなに小さな組織でも経理担当者がいて、その経理の担当者はその事業部の責任者が人事権をもたないんですね、本社が人事権をもつ。「経理」の考え方が「経営管理」の略だと松下さんはそう言うわけですよ。何が強烈だったかというと、新規事業部だから1年目は赤字でいいという発想は全くゼロで、初年度から税金を払えなければならない。そうでなくては存在する価値がないという発想の下、新規事業部が見事に初年度からみんな黒字でした。

そういう事業部制を発表して、実際にやったのが昭和8年です。P.F.ドラッガーが、プロフィットセンターといって、各単位でもってそれぞれが利益を出さなければならない、ということを言ったのはそのずっと後ですから。松下さんは随分と先でしたからね。そういったことで松下さんにはずっと興味がありました。

江副さんは僕よりもちょうど10歳上で、僕がこの商売に入った頃、彼は32,3歳ですね。学生の頃から商売をやっていたんですね。大学新聞に広告を持ってきて掲載するような仕事で、それで会社を創ったんですね。それがリクルートの走りです、卒業と同時に。バブルが潰れたときに最大借金が1兆6千億くらいあったのかな。

読んだ中で中内功さんは印象的でした。彼はフィリピンからの帰還兵なのだけれど、飢餓でムカデだとか色々なものを食べて、ようやく生きて帰ってきたんですね。そこで彼が「勇敢な兵ほど早く死んでいった。私は卑怯未練だから生きて還った」と書いています。強烈な言葉だなと思いました。自分のことをそういう風に言える人は、ほとんど見たことがないです。では本当に彼が卑怯未練だったか、誰が卑怯未練ではなかったのかなんて、恐らく例外なく誰もが卑怯未練だったのだろうけれど、彼だけが自分の卑怯未練に気が付いた、と僕は解釈しています。かっこいいなと思います。出来れば自分の卑怯未練には気が付きたいなと思っています。(笑)

きっかけについて

僕がこの仕事を始めた元々の発端は、学生の頃はコピーライターになりたいと思ったんですよ。教職も考えて1ヶ月間実習で行ったのだけれど、もう毎日、生徒を怒っていてね、こりゃ向いてないなと。(笑)小学生の六年生をもたされたんですが、生意気でね。

学生の頃は詩を書いていたものだから、コピーライターをやろうと思って。霞ヶ関のビルに入っているようなところであるとか、2、3社大きいところに受けに行きました。それで落っこちちゃって、「経験者以外採らないから」と言われて。それで当時、コピーライターの学校と言えば、久保田宣伝研究所というところと、電通だった。それで前者は授業は全部英語だったんですよ。欧米の方が先進国ですから、コピーライター業も。僕は英語はダメだったから、もちろん電通のほうで、夜間の講座に入学の手続きはしたんですよ。日中は仕事をしようと、どこでもいいと思っていました。当時は就職雑誌はなかったので朝日新聞などの採用広告で、電通がある銀座の一番初任給が高いところ、というようにして選んで入ったのが、不動産屋でした。貸事務所の仲介をやっていたところですね。そこに2月の中旬に入って、1ヶ月やったら、ぽんぽんとトップになっちゃって。そこで、けっこうこれも面白いなと思えました。学校の入学手続きも全部終わっていたのですが、止めちゃって。そんなこんなで仕事を始めたんですよ。

経営において大事なこと

最近また経営について考えているのですが、経営というのは百科総覧的に何でもやればいいということはないですね。例えば、国立の大学を受験するみたいに全科目をきちっとやらないと点数が取れないといったことは経営ではないですよね。経営上には色々な課題があるのですが、その中で組織の存亡に関わる、これがなければ組織は滅びる、これがなければ組織は伸びない、といったことに直接関わる課題だけをやる。経営者はそれ以外のことには頭を使ってはいけないと思います、マネージメントしたい人はね。それ以外のことは他の人に任せればいい。それで自分の組織、例えば課を預かる人、部を預かる人、あるいは会社全体の経営を考える人は、その組織の単位毎に今のようなことを考えるべきだと思っています。

どちらかというといつも僕は手抜きをしていて(笑)、絶対に大事なこと以外は考えません。これがないと組織は潰れる、これがないと組織は伸びないであるとか。それを考えると、やはりマネージメント上で最も大事なことは、手抜きをするところと手抜きをしてはいけないところを、きちんと明確に意識されないと困るのかなと思いますね。

我が社でもって言うと、開発以外の部門の新規売上拡大の絵が描けていない。開発が無いとすると、未来の我が社が潰れるか伸びるかは現状のところ全くわからない、ということです。したがって会社全体のマネージメントを考える人は、無論その部分を考えなければならないと思います。その一方でそれぞれの部課単位でそれぞれの課題を抱えていると思います。部長さんは部の存亡に関わる課題を考えればいいし、関わらない課題は何なのかという分を考えるべきでしょうね。

非・金科玉条

今回のブログのテーマとして、色々なテーマについて色々なことを言って、僕の考えを表現していきたいのですが、それは金科玉条といったことではなくて、どちらかというと非・金科玉条ということに基づいて話していきたいと思います。つまり、「ある場面にはその通りだろう、別の場面にはこうだろう」といった意味ですね。だから通常の金科玉条といったら、「状況に関わらずこうですよ」という絶対的なことです。そうではなくて私が常に思うのは、場面によってはAであることが、常にAであることはないということです。

こういうことを念頭に置いて、このブログで表現していきたいですね。