オフィスビル経営の基本Ⅱ 経営者としての心構え⑭

4.他物件を見ながら自分の物件の条件を考える

これだけ多面的にオフィスを分析、比較すると、自分の物件において妥当な賃料がいくらなのかはおのずから見えてきます。この賃料は条件のうちのひとつの項目としての賃料ではなく、他の条件も含めた、総合的に妥当な賃料です。
企業はオフィスを探す場合、最低限の必要な面積は動かせないものの、それ以外の条件は他の条件との兼ね合いで変更の余地があります。すなわち、企業は賃料だけを見てオフィスを決めているわけではなく、条件を総合的に見て決めているのです。それも他の競合物件との関係で相対的に変動するわけですから、正確な相場というものを把握することはそう簡単なことではありません。
募集物件比較表を作れば、競合物件の条件を全体として比較することができるようになりますので、自分の物件において妥当な賃料を算出しやすくなります。
そうして決定した賃料、募集条件であれば、納得も得られやすくテナントが決まりやすくなることはもちろんですし、賃料値下げの要望にも適切に対応できるようになります。

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