家のはなし

私の育った街は人口が5、6万人くらいだったのだけれど、けっこうお妾さんがいましたね。今は妾じゃなくて、愛人というんだろうけれど。やっぱり背景があったんですね、飯を食べれないという。今でも重婚が認められている国がありますが、それも経済的な背景があるんですよね。私が小さい頃にはおばあさんの友達にもお妾さんがいて、前妻が死ぬと後妻として家に入ってきて、親父さんが死ぬと前妻の息子に家から追い出されるとか。

そういう意味で個人ではなくて、家が機能していたということですね。親父が後妻をもらう頃には経済の実権は親父さんにあって、親父が死ぬとそれが長男に移るわけですね。今はみんな、親は親、子は子で自立しているからね。