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*河村正敏先生のこと

学生の頃、わたしの詩の同人誌に、批評文を書いて頂いた先生がいる。

その頃先生に紹介された歌を、今でも3首程覚えている。

先生の知人が作られたとの事。

湖(うみ)に来て、

氷の裂ける音やまず

首ほそくして

抱かれん夜は

凍りつく

祈りも風に

千切られて

我の裸身が

空を飛びゆく

かなしみに

近づく群の

ひとりゆえ

我も廻せり

空の車輪を

*エスカレーターのこと

片側に人が乗らないエスカレーター

ホームに人が溢れる。

エスカレーターの構造計算は、

片側にだけ重量がかかることを、

想定しない。

わたしの知る限り、

エスカレーターの歩行を禁止しているのは、

京急さんのみ。

*友

充分に生きたから、

というけれど。

幼いころから、

ほんとうは、

生きたくはなかった、

のではないですか。

*吃り

ほんとうは

いいたいことは

なにひとつない

だから

どもるしかない

*鳩

隅田川のほとり

ぼくの脚もとで

土鳩が

ぼくを見上げる

右目で見上げる

次は左目で見上げる

同じように

見えるのだろうか

言葉が異なるから

わからない

言葉が同じなら

わかるだろうか