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つきあい方について

 昔、日経BP社の人とヨットに行ったことがあって、ひとと飯を食ったら私はメンバーの分も全て払う習慣があるんですよ。そしたら帰り際に払いますっていうから、私は「私がみんなの分も払っているから、受け取らない習慣なんだ」という説明をしたんですよ。そうしたら帰りに座席に1万円札を置いていきました。ああ、日経って良い会社だなって思いましたよ。彼は不動産関係の雑誌だったから。自分の商売と関係のないところだったら良かったのかもしれない。

 これが相手が官庁関係だったら大変だね、手が後ろに回っちゃうから。

才能を信じること

やっぱり自分の才能を信じられると、信じられた分だけ花が咲くよね。

僕が初めに捨てたのは将棋、その次が書道、その次が詩だね。結局、自分の才能を信じられない。だから捨てる。もうちょっと信じてあげれば良かったなって思ったけれど。どこかで予感して、自分で枠をつくる、線引きをして、捨てるんだよ。多分、それは間違ってたんだよね。ある時点で自分に詩を書く才能がない、歴史には残れないって決めたわけです。無論、続けていたとしても、残っていなかったかもしれないけれど。切り捨てるとその時点で終わっちゃう。今思うと、捨てなきゃ良かったって思う。楽したいから、「あなたは才能がない」って自分に宣言したんだよね。自分を信用し続けるって本当に大変なんだよね。

賢いことの弊害

 一級の小型船舶の免許を取る試験の為に、尾道で10日間の合宿にいったことがあります。その時に医者の卵が居たのだけれど、試験の文章を読まないんだよね。最初の数行を読んで、この書き出しの問題はAのパターン、これはBのパターンってしちゃうんだよね。こういうのって会社の選び方とすごく似ていて、世の中を分かったつもりになっちゃってる。こういう選び方をすれば、こうなるって決めちゃってる。東大出のような頭がいい子ほど、そうなんだよね。先を見ちゃって決めちゃうのだけれど、残念だけれどそうはいかないんだよね。試験問題は答えが決まっている世界だからそれでいいけれど、社会は答えが決まってないし、あるかないかも分からない。全て変数だから。

 先をみると小さくなるよ。大成しない。重いものをたくさんぶら下げて、駄目になった時にひとつずつ下ろしていくしかない。天才ってそういうもんだよね。

写真のはなし

建物の写真を撮るのって、楽しいよね。

 ―そうですね。でも僕は建物を観る時に写真を撮らないようにしているんです。カメラを持っているときの見方になってしまうので。そのものを観察しようと思うと持たない方が良いと思っています。(本橋)

私も今までは誰の作品を観に行くときも持ってなかったのだけれど、最近は持っていくようになった。仕事の為だけれどね。安藤さんや村上徹さんの建物を観に行ったときも、撮ったことはないし。観るだけ。まあ、仕事の為とはいえ、観る角度によって出来の悪い建物でもよく撮れる場合もあるから楽しいね。

恋の反作用の法則

恋愛は反作用の法則で、どの程度まで狂えるかによって、中身が決まると思います。つまりその人の中身そのものでしょう。自分が狂えば相手も狂うし、自分が狂えなければそれはその辺のありきたりなものになるよね。狂えないのはそもそも恋とは言えないよね、熱処理だ(笑)。