窯の中

 ―窯の中のどこに置くのが良いとかってあるんですか?(本橋)

もちろん。薪を放り込むと灰や火の粉が舞い上がって作品にかかるわけです。そうするとその灰が溶けたり、炭のように重なった箇所が出来ればそこに酸素が入らずに強還元状態になるわけです。酸化と還元では当然、有機物の反応が違うわけだよ。そうすると全然、色の出方が違う。

登り窯だと中の温度差が少なくて、あな窯だと大きいから、それはムラがすごく出るという事です。ムラが無い方が良い場合とムラがある方が良い場合とがあって、どちらかというと名品はあな窯から生まれることが多いです。ただし、焼け損じもあな窯からが多いね。