新着情報

企業文化3

―佐々木さんにとって企業文化とは何ですか?

僕にとっては、僕そのものです。何かの危機があったときの、対処の仕方、対処の方向性です。例えば、会社が潰れそうになった時の為に、社員に常々高額な生命保険を掛けておいて、必要な時期が来たら、ちょっと泊まりで遊びに行ってこいよ、なんていう会社もあったけれど、それはそれで一つの企業文化なんじゃないかな。(笑)

企業文化によっては何が何でも長生きしようということもあるかもしれないし、そんなに長生きするもんじゃないよというのもあるかもしれない、という文化もあるかもしれない。

色々なかたちはあるのだろうけれど、僕にとっては僕の仕事の仕方、友人との付き合い方、飯の食い方含めて、そのものが企業文化です。

企業文化2

例えば、官庁の厳密な指導下にある組織では官庁がメインになってくるし。下手すると中枢が天下りにでやってくる。やっぱりそういう背景がある組織の文化というのは違うものですよね。私のように22歳からフルコミッションでやってきて、小さな会社を創ってやっていると、生存するか死滅するかという感覚が、そういう官庁系の組織とは180°違うんでしょうね。あり得ない話ですが、仮に私のような経歴をもつ人がそういう企業に勤めても、今までの私の生と死の有り様という感覚を捨てないとやっていけないよね。生と死をぴりぴり感じながらやっていくようなのと同じ感覚でやろうとしても、すぐにつま弾きされてアウトでしょう。ぴりぴりした感覚を捨てて、幼稚園に入りたてのようにならないとやっていけない、と私は考えています。逆もまた真なり。結果は出せないし、結果の出し方からしてそもそも違います。

文化が違うわけだから。やっぱり昔から言うけれど「郷に入らば郷に従え」です。文化というのは突然変異的に偶発的に生まれるわけではなくて、必然として生まれるわけです。なぜそういった文化が必然でそこにあるのかという背景を納得できるくらい理解できなければ、その世界では生きていけない。

*

戦略に反する利益を否定し、

戦略に沿う利益を追求する。

企業文化1

 企業文化とはどういうものでしょうか。文化というと、人間関係の構築の仕方であったりとか、文明とは違う人間の生き方みたいなものでしょうか。

?僕は企業に勤めたことは無いので分からないですが、例えば大学の文化というのはあるかもしれません。東工大であるならば、昨今話題になっている、いわゆるオタク文化というのがよしとされる文化ですよね。

 板谷波山さんも吉本隆明さんもオタクっぽいもんね(笑)。そういう面で言うと、確かにイメージは合っているかもしれないね。

僕は岩手の人間だけれど、本家は農家で何百年か続いた家なんです。その周辺で辿っていくとどこかで遠戚かなにかで繋がっているような人たちが集まっているんですね。そういうところに居ると息が詰まる。そういうところではどういう風にすれば生き易いかというか、生きる為の知恵、相互扶助みたいなものは厳格に決まっているんですよね。例えば結婚式は、最近は個人と個人だけれど、昔は家と家の結婚式なわけです。それは何を意味するかというと、社会生活をする上で家を構えて子供を作って育てるというのは、自分たちの力だけでは大変なので、遠戚関係を含めて融通し合いながら銘々を助けてやっていこうというシステムですよね。また、農家なんかで家を造るだとか、茅を葺き替えるなんていうと、村中の人が無報酬で手伝うんですよ。お互いに色んなことをやるわけです。つまり生きる為のシステム、あるいはシステムがどういう風に動くのかということが文化かなって思っています。

僕が育った町では、よその町から来た人は「流れ者」という扱いでした。それは生きる知恵が違う、ということでした。もし事件があったとしたら、我々とは対応の仕方が違うよという認識です。だから信用しちゃいけないよ、ということが裏に隠れているんですね。

そういう面でいうと、東京は膨大な「流れ者」の塊ですね。

大学の違い

吉本隆明さんは東工大出身なんですね。東工大の学生さんは何となく雰囲気があか抜けないよね、東大の学生さんもそう。私大の学生さんはいかにもあか抜けてる。昔、学生がアルバイトに来ていた頃、文化祭にいったりしてカンパしたりしたけれど、私大と比べると東大の人はまじめな感じであか抜けないんだよね。(笑)私大系はいかにも都会の大学って感じで、順応が早いんでしょうね。そういう雰囲気は面白いなって思ってね。

そう言えば、吉本さん曰く、東大の教授と東京の一番入試の簡単な私大の教授を4年間交換したらどうか、ということを言っているんですね。やっぱり成績の良いところの人間はどこかが方端なんじゃないかって。一方で試験が簡単な大学の方は発想がとてもユニークな学生がいる。喜怒哀楽がユニークだとか。つまり人間の才能ってトータルにするとみんなイコールなのかもしれない、とも言ってます。おもしろいですね。