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夢のはなし

 詩をやっていた学生の頃は、夢の中で同じ文章を考えているんですね。眠っている時と起きている時の境がないんですよ。ここどうもおかしいなと思うところを、夢の中で全く同じことを考えているんですよ。商売もそうだけれど、考えている時は夢の中で全く同じことを考えるのだけれど、嫌ですね。詩のことを考えているか、彼女のことを考えているか、本を読んでいるかだけ、これしかありませんでしたね。夢は詩を書いている夢かと彼女の夢でしたね。

 商売の夢だと、夢の中で数字が出てきて、それが現実の数字と全部同じだっていうことがあって、目覚めてからなんだか鬱陶しくなって、侘しくなってくるね。(笑)

バランスのいい設計

貸しビルでどのようにつくるとテナントが付くか、家賃が取れるかというのは、ビルをつくる会社によって大きく違います、バランスの良し悪しとか。ビルの設計でバランスが良いと思うのは、やっぱり三井さんですね。どうやったら家賃を高くして貸せるかは銘々人によって違いますから、バランスは大切です。マンションを見てもそうですよね。

昔は自分のブランドに誇りをもっていて悪いマンションをつくらないというポリシーをちゃんとした会社ならありましたが、今はそうじゃない、儲かれば良いという雰囲気になっています。平気で梁をだして、梁を欠き込んだところで天井高がいくらかと書くし、空調機は壁付けで、配管が壁伝いに現しです。無論それによって、工費が安くなっているのですが。天井高をとってそういうものを見えないような納まりにすれば、もちろんコストは上がるし容積も戸数も取れなくなるのですが、昔はそれでやっていたんですよね、いい頃は。

その点、事務所ビルはまだいいでしょうね。このビル(聖路加タワー)も計画だけで3-5年はかかっているだろうし。そうなると大手の設計事務所でそもそも頭のいい連中が時間をかけてやるわけなので、ソツのない建物はできますよね。大型ビルだと我々のような小さなところは弱いよね、特に防災計画の帳尻を合わせるのが。設計の中心が防災になるんでしょうか。

脂汗の流れた絵

私の長い友人に、二十歳すぎまでジタバタして油絵を描いていた奴がいました。最後には1年間かけて削っては重ねて、削っては重ねて、とうとう完成しないで止めちゃいました。会う度にボロクソに貶すのだけれど、貶されてもそれが自分も思っていることであるならば、気持ち良いのかな。

油絵でも何でも、幸せな気分で描いている人だとロクなものがあるわけはないよね。やっぱり夢にでもうなされるくらいで描かないと。ジタバタして脂汗を流して描いた絵と、全く脂汗が流れてない絵は、観ればすぐに分かりますよね。

建て売り住宅

若いうちはパワーがあるから、行っちゃうんだね。歳をとってくるとパワーがなくなるから、いつまでも逡巡するんですよ。若い頃はパッと土地を買って、パッと作って、パッと住んで、それでもう終わりということもあったけれど。25の時にイージーオーダーで建て売りを買いました。こちらが全部図面を描いて、材料も相談して決めて。準防火地区だったと思うけれど、その家だけ職人に木サッシを作らせて。1年は住んだかな。(笑)

26歳で会社を作ったから、家を売って会社の資本金にしました。初めて設計したのはその家ですね、建坪9.5坪、総2階建てで19坪でした。

結婚のはなし

娘が結婚することになったんですよ。懐剣を持たせてやる必要があるかな。お嫁に行く時に、懐に短剣を持たせますが、あれは自害用なんだろうね。亭主を殺して、自分も死ぬということでしょうか、私の解釈だと。あれは注文製作であるんですよ、100万か200万円くらいで。売っているものの方が安いけれど。刀は古いものの方が安いんですよ、人件費が高いから。(笑)新作の方がね。

 ?でも、一回使いきりだから、高かれ安かれ機能すれば良いんじゃないですか?(笑)

確かに継続使用はしないね。(笑)

 ?以前に、結婚に関しては人間関係を登記することというお話があって、批判的だったような気がしますが。

やっぱり他人だからね、家の繁栄の為の結婚ではなく、個人の生き方としての結婚だから。趣味も好みも違う別々の人間だから。昔からみんな「夫婦喧嘩はあることだから、我慢しなくちゃいけない」って言うんですけれど、それは間違っていると思う、ぱっと別れるべきだと思う。我慢しちゃいけない。