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コンセンサスの形成

日本人の良いところはコンセンサスを作れるところだと思います。だからモノづくりが良いのでしょう。日本以外の多くの国の人は他人とは合わせないから、自分は自分で。人とは協調しないで勝つか負けるかの世界だと、最後は自分の意見を通す為に人を殺すわけです。歴史的に悲劇的な国があるじゃないですか、侵略され続けた国が。ああいう長い悲劇的な歴史を持っている国の人たちは、そういうところが弱いのでしょうね。つまり主張する力が強いということではなくて、コンセンサスをつくる力が弱い。やはりコンセンサスが取れないと、ダメになるのではないでしょうか。

現場に10人いれば10人ともが気が付くところは違う。やはりモノづくりだと、そういうところを取り入れていこうとする日本は良いところがあるのでしょうね。

富士の別荘2

富士山の別荘ですが、第一山荘と第二山荘を隣同士で作ったんですよ。一つはきれいにソツがなくつくって、普通の風呂にスウェーデン製の輸入のストーブ。火は見えません。もう一方はワンルームにして一間四方の囲炉裡でもって火を焚くんです。バンバン焚くと、囲炉裡の火で日焼けするんですよ。(笑)風呂は露天にしました。キッチンの上が中二階になっていて、寝室になっていました。その下にはサウナがあって、熱が上がって暖かかった。

やっぱり予約はそっちの方が多いんですよね。別荘が普通の家と同じだったら、家にいれば良いということになりますからね。

ヨットのはなし

最初に乗った船は32,33歳の頃かな、36フィートの木造船で横浜から横須賀まで行きました。

帰りにちょうど5mくらいのちょっと上り気味の横風が吹いて、そこで帆をフルセイルにしてエンジンを切ったわけです。そうすると、すごく気持ちがいいんですね。今ここで、空調の音が聞こえるでしょ、それは文明の音です。自然のリズムじゃなくて、文明のリズムです。どこにいても文明のリズムがないところはないですよね。ところがヨットでエンジンを切るとそれが全部消えるんですよ。風とか波のリズムだけが残る。

それでしびれちゃった。しびれて、すぐに衝動買いしちゃいました。信用金庫に5年間の月賦払いを申し込んでね。買ったのは26フィート、よく乗ったね。

富士の別荘

昔、20数年前に富士山の三合目に別荘をつくったんですよ。その時には小淵沢だとか向こうの方までずっと見に行きましたが、富士桜という初期の頃の別荘地で周りに家なんて無いようなところで、道路も舗装されていないような。一区画100万円で土地の面積は100坪なんだけれど、周りに家が建っていないからみんな自分の土地みたいなもんなわけ。(笑)それでつくった上モノは2000万です。

屋根は45度の切妻で、屋根のてっぺんまでは10mくらいありました。大きなクレーンをもってきて、屋根を持ち上げましたね。そこでやりたかったのは、囲炉裡で火を焚くこととみんなで入れる露天風呂です。4,5回行けば良いかなと思っていましたが、結局けっこう行きましたね。

模型

「屋根の家」をつくった手塚さんの「森の学校・キョロロ」に行きました。錆びる鉄板を外装材に使っている建物です。その建物を設計して完成するまで、模型を100個以上つくったそうです。建築家は論理からすべてを積み上げていって、あるいはそれを崩して、色々なものを作ってみて。そういうプロセスでやっていくので、当然その時間のかけ方だと、仕上がるものは違います。かなり時間をかけてやっていますよね。

我々の場合だと決断はすごく早いです。貸しビルの設計だとプランニングで善し悪しがすぐに判るんですね。1週間、1ヶ月かけることも、寝ている時に考えることもありません。良い、悪い、それだけです。なので、商売用では模型を1個も作ったことがありません。マンションとビル、合計で150棟くらい作っていますが1つも作ったことはないです。

模型を作るのは趣味の時だけですね。