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9-2. オフィスビルの付属品 (1)

9. その他のこと

今週の残りは「オフィスビルの付属品」について書きたいと思います。あまり細かいことはあまりオフィスビルには関係が内容にも思えますが、オフィスあるいは建物には必ずと言っていいほど避け難く付いてくるモノがあります。郵便受けはその1つですが、その他スイッチプレートやコンセントプレート、インターフォン、火災報知器などです。それぞれ床に付くもの、壁または天井に付くものなど様々ですが、これらまさに「付く」ものは付属品のようなものなので、設計時にはそれほどキチンとはデザインされないもので、工事現場の流れの中で調整して後から決まっていくことが慣習的に多いです。また、消防関連の機器の場合は認定が取れているものでなければ使用できなかったり、スイッチプレートなどは電気の規格が決まっているためにデザインの選択肢が決められています。これら付属品はデザインにとっては多くの場合は想定外の邪魔者で、どれだけ目立たないでこれらの設置を対応するかというあたりが、デザイン上の肝になることが殆どだと言っても良いでしょう。
まずはその中でも比較的デザインのコントロールがしやすい、郵便受けについて考えます。

8-3. 火災 (12)

最また避難階段は屋外に作ることが出来ますが、階段の稿でも書きましたが、屋外避難階段メリットは容積対象とならないということで、多くの中小のオフィスビルがその規定を利用して、有効に室内の面積を利用しています。その場合の構造は屋内の場合と同様に、出入口は防火設備とするといったことや、階段から2m以内の範囲の外壁には1m2以上の開口部は設けられないといったことです。また「周囲が十分に外気に開放されていること」という要件があるのですが、法文上はここまでしか書かれておらず、定義が曖昧です。実際には東京都や区といった特定行政庁が個別に判断していて、例えば階段の外周の1/2以上が外気に接していて、かつ敷地境界から50cm以上離れていること、といったことで運用されています。
また特別避難階段は、さらに構造上に安全への配慮がなされています。超高層マンションやビルなどを考えれば、階段のつくりがいかに重要かは想像に難くありません。特別避難階段の場合には屋内のみとなっていて、階段に入る手前に付室あるいはバルコニーを作ることによって、火の廻りに対してさらにワンクッション隔てるということと、付室のところで廻ってきた煙を外に出して階段室内に廻らないようにするという2点が避難階段に加える主な要件です。
ここまで長々と避難に関する規定について記述してきましたが、これらもまだ規定の一部を書いているに過ぎません。日本では歴史的にかなり火災を被ってきたわけで、それが建築基準法に反映されてきたわけです。それでも完全には火災の被害は無くならないので、未だに度々、細かな規定の変更はなされているのが現状です。

8-3. 火災 (11)

最後にこれら直通階段の種類とその構造上の定義に触れておきたいと思います。(もはや「火災」の項よりも、「4-8.階段」の項の方が適切な内容かもしれませんが…。)
被災時に階段は避難上有効である、つまり円滑に避難出来るような構造となっていなければなりません。一定以上の状況の場合、それらを普通の直通階段とは区別して、避難階段、あるいは特別避難階段と位置づけて、その階段の構造を規定しています。2直階段の場合と同様に避難階段の場合にもデパートのような物販店舗の場合に別枠で規定が定められていますが、その他の建物の場合には5階以上の階、あるいは地下2階以下に通じる直通階段は避難階段としなければならず、さらに15階階以上の階、あるいは地下3階以下の階に通じる直通階段は特別避難階段としなければなりません。
避難階段には屋内と屋外の2通りが想定されていて、屋内の場合にはその階段を耐火構造の壁で囲い、内装は下地・仕上げ共に不燃材とします。階段に出入りする扉は防火設備として、外壁に設ける開口部は90cm以上隔てなければならず、屋内に面する窓は1m2以内として網入りガラスのはめ殺しの防火設備にしなくてはいけない、などの細かな規定がなされています。普通の直通階段にはこれらの様な規定はありませんので、5階建て以上の建物の階段と4階以下のものはかなりつくりが違ってくるということになります。

Kビル新築工事(第16回定例会議)

事業名・工事名

Kビル新築工事

日時

2014年4月30日 / 10:00~11:00

場所

トゥループロパティマネジメント(株) 第3会議室

出席者

設計監理(建築)
トゥループロパティマネジメント(TPM) : ST、MR、MT
設計監理(構造)
K構造設計事務所
施工
T社 : K(現場所長)、T(技術営業)
施工(電気)
H社 : F
施工(設備)
O社 : A

1.前回議事録の確認

施工 K:
キュービクルの主任技術者はまだ未決定です。
施工 K:
自動火災報知機の表示灯の平型ランプのカタログを提出します。
設計 MR:
平型ランプが良いかは再度検討します。

2.週間工程の説明

3.質疑

【事務室空調吹出しについて】

施工 A:
原設計での空調機本体からすぐに設けている風量調整ダンパー(VD)が、配管スペースが狭いため納まりませんので中止とさせていただき、配管もダクトチャンバー形状を細長くし製作し、風量調整は事務所側より手動で行う吹出し口と一体になったものでいかがでしょうか。
設計 MR:
吹出し口が事務所側より羽が見えるタイプは不可です。吹出し口は原設計のメーカーカタログを取り寄せてVDの必要性も含めて検討しましょう。
施工 A:
解りました。提案のVDは現物も取り寄せ可能ですので持ってきます。

【次回定例について】

設計 MR:
次回の定例は1週飛ばして5/14に行いましょう。

以上

2014.5.30 作成:MT

8-3. 火災 (10)

また一定の規模以上、あるいは用途によって直通階段が2つ必要なことがあります(2直階段)。いわゆる2方向避難と呼ばれている要件で、自分がいる位置と直通階段の間が燃えていたとしても、その逆方向で地上への避難が出来るようにするということです。用途的には先述と同様に映画館や劇場、一定規模以上のデパートなどに2直階段が義務づけられていて、また病院やホテル、共同住宅なども当該階が100m2あるいは200m2以上といった規模の場合に義務づけられています。いずれも大人数がその階に滞在しているということが想定されています。
また、その他の用途でも6階以上の階には原則義務づけられています。これは当然、火は上に廻りますので、上層の階の方が被災のリスクが高いためです。ここで原則と書いたのは一定の条件を満たせば、2つのうち1つの避難階段は「避難バルコニー」で代用しても良いということになっているからです。ここでは詳細には立ち入りませんが、よくマンションのバルコニーなどで足元に避難用のハシゴが設置されています。それが階段に代わる避難上有効なルートとされています。

図8-3-3:避難バルコニー

図8-3-3:避難バルコニー