4-14. 窓 (15)

窓の位置について話が戻ります。
普通の壁に穿たれた窓ではなくて、壁から飛び出した窓というものも考えられます。日本語で「出窓」と呼ばれますが、弓[bow]や湾[bay]のような平面から[bow window][bay window]と呼ばれます。

図4-14-11:出窓

図4-14-11:出窓

壁構造の間口を小さくしか取れない窓に対してより広い面で開口部を取れるようにということで、壁から平面的に突出することによって外部への接触面積を増やしています。
また、壁ではなくて天井(あるいは屋根)に窓が取り付くものを「天窓」といいます。採光を取るという意味では太陽の位置を考えると天窓は壁に取り付く窓よりも効率的です。

図4-14-12:パンテオン

図4-14-12:パンテオン

上の写真の例はローマにあるパンテオンですが、窓というよりもガラスが入っていないのでただの穴なのですが、全体のボリュームに対してドームの頂部に小振りな穴があいているだけで柔らかい光が建物のインテリア全体に廻っています。先述の内容と関係しますが、ドームの頂部にぽつんと穿たれた穴は、それこそある種の象徴性を感じざるを得ません。キリスト教が入る前のローマの神々を祭るために建てられた神殿なので、人ではなくて神の居場所としてつくられたことを考えると、その象徴性も納得です。

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