8-5. 地区計画・総合設計制度 (11)

数でいえば江戸川区に次いで4番目の33地区を設定しているのが千代田区です。面積としては488.2haです。例えば、中央区は地区計画数が16に対して、面積は626.1haあるので、千代田区は細かくエリアを区分して地区を設定しているといえるのですが、その一方で地区計画の内容は互いに大きくは変わらなかったりもします。千代田区の場合は一般型と特例的なもので自ら千代田区型と呼称している街並誘導型+用途別容積型のものがあります。先に述べた容積緩和することによって住宅を誘致する用途別容積型と建物をセットバックさせることによって道路の歩行空間を確保する街並誘導型を併せたものです。これらの多くは神田周辺に設定されていて、江戸時代以来の町人街だったために道路空間が十分に取れていなかったことが現代まで続いており、これに対応する策として地区計画が策定されています。防災などの観点も分かるのですが、昔からの都市の骨格をズラしてしまう枠組みなので、本来は慎重に議論されるべき議題ではあろうかと思います。

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