富士山のバイト

富士山の八合目で2週間、アルバイトをしたことがあります。山小屋の番頭さんと言うか、何でもやる雑役夫です。5,6人いました。五合目までは車で来られるので、生活必需品だとか販売するものを取りに行って担いで来るわけです。醤油だとか味噌とか、コーラだとか。水は氷を切ってきて、屋根の上にある原始的な浄化装置に入れて、溶かして飲むんですね。醤油だとか味噌だとか、重いものをもって来るのは楽なんですよ。軽いものをもって来る時は怖い、風で飛ばされちゃうから。軽いと自分の体重しかないのに、風は体以外のところで受けるから、もってかれちゃうんですよ。

あと、そういうのを仕事でやっているプロの連中はすごくゆっくり登るんですよ。だから何十キロの荷物を担いででも登れる。でも山登りに来た人たちはゆっくり登れないんですよね、早くなっちゃう。そのペースが分からないから、ダウンしちゃう。

帰りは早い。3時間かけて登ったところを、30分で降りられます。砂の沢のところを行くんですよ。そうすると、一歩が5mくらいいくから、ずるずるーっとね。(笑)