5-6. 壁紙 (3)

ところでこのような壁紙は当時、どのように作られていたのでしょうか?主たる印刷技術としては3通りあったようで、最も一般的であったのが先述の木のブロックを版としたもの、そして手描き、ステンシル(薄い板に穴を開けたもの)であったそうです。

図5-6-3:ステンシル

図5-6-3:ステンシル

手描きというのはもちろん大量生産には向いていませんが、残り2つは複製を可能にするものです。

図5-6-4:木ブロック印刷

図5-6-4:木ブロック印刷

上図は1877年のフランスで描かれたもののようですが、このようなやり方は16世紀頃から変わらないものでしょう。非常に単純なやり方で、型にインクを塗って紙に判子のように押していくというものです。
また、木ブロックだと印刷をすればするほど徐々に摩耗して柄が変わっていってしまいますので、当時の版画の技術として既に使われていたエングレービングが後に印刷の版として使用されるようになります。いわゆる銅版画の一種で、銅の板に彫刻刀のような道具で柄を溝として削っていきます。その板にインクを流して表面を拭き取ると溝にインクが残り、次に紙をその版に押し当てて紙にインクを移すことで印刷を施すという流れになります。版自体が金属なので耐久性にすぐれ、また繊細な線もクリアに印刷ができるということで19世紀にリトグラフなどの別の版画技術が発明されるまでは、このような技法が主流でした。

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