2-3. 近代/ビルディングタイプ (1)

これまでは近世までのオフィスを通覧してきましたが、これからは近代のオフィスビルについて書いていきます。
それに先立ってビルディング・タイプという概念を紹介します。建築設計を専門にしている人にとっては聞き慣れた言葉ですが、一般的にはあまり使われないかと思います。以前に10+1という建築雑誌で特集された際には「使用目的から見た建築の類型をさす」という短い説明がされていますが、「用途」との関係から考えてみれば分かり易くなると思います。例えば事務所というのは「用途」です。そこにいる人がその場所で何をするかによって「用途」は定義されます。物販をするのであれば店舗になりますし、映画を観るのであれば映画館です。「用途」には建物は必要ありません。屋台で物販をしても店舗ですし、屋外シアターにしても映画館となります。「ビルディング・タイプ」は日本語にすれば「建物の型」です。私たちが「ビルディング・タイプ」という時には、「用途」を伴ったある種の建築の形式を指しています。

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