8-1. 高さ制限 (10)

総合設計制度以外にもう1つ高さ制限の緩和を受けられるのが、「地区計画」がある場合です。東京の23区内の場合、各区が地域の実情に合わせて、新築の建物に一定の処置を施せば容積率や高さ制限を緩和しますよ、というものです。
例えば中央区の場合、日本橋や銀座、月島などそれぞれ地域性の強い都市空間が形成されていることもあり、それの保持、あるいは改良を目的としてそれぞれの地区計画が設定されています。
例えば銀座の場合きれいな街並がそのエリアの大きな売りとなっています。そこに斜線制限に準じて上にいくほど段々にセットバックしてしまっては街並が壊されてしまうので、前面道路から建物をセットバックさせれば、高さ制限を緩和して、かつ容積率も増加しても良い、という地区計画が設定されています。また、月島の場合は古くからの路地がありますが、都市防災の観点からみれば狭い道に面した木造の家屋は弱点です。この場合は耐火建築物への建替えを促進し、道を広げるように建物をセットバックすることが防災に繋がるために、耐火建築物とセットバックを行えば斜線や容積率の緩和が受けられるという制度設計になっています。

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