8-2. 面積 (5)

法的に緩和されている場合と違って、あえて床をつくらずに容積率として算定されないように対応を考える場合もあります。よくあるのがオフィスビルなどにおいて、階段が屋外階段になっている例です。利用の実態としては概ねエレベーターを使うことが殆どで、そういう場合には階段は外部でも構わないであろうという発想で、法的には屋外の避難階段の規定を満足していれば良いことになります。この場合はあくまでも屋外ということで、容積率には算入されません。(当然ですが、屋内の階段は算入されます。)また、天井高が1.4m未満の箇所も容積に算入されないので、あえて部分的に低い場所をつくってそこを収納にしたり、採光のための奥行きのある窓をつくったりもします。
ところでこのような容積率という考え方ですが、世界的にみてもわりと考え方は共通しているようで、ヨーロッパや中東、中国でも同じ様な制限のかけ方をしているようです。以前にニュースでみたのですが、中東のどこかの国で延床面積の規定はあったけれど高さの規定がなかったために、階高10m以上の超高層が建ってしまった、なんていう笑い話みたいなことを聞いた記憶があります。(ネット上でそのニュースをみつけられませんでしたが…。)
また、中国は地方によっても違うようですが、階高が3.6m以上の吹抜けは床面積を1/3増しで計算する、というローカルルールも聞いたことがあります。これは後から増床されることがあるので、予めそれを見込んで算入しておくというスタンスのようです。また容積率といった時に、本当に空間の気積を容積として計算するという制限のかけ方もあるようです。

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