9-1. 図面 (2)

実務的な意味でも我々にとっては図面が最終成果物です。つまり契約上で施主から支払いを受ける際には図面提出を前提としたフェイズ毎に行われるということです。設計・監理という言葉があります。設計はもちろん図面を作成する仕事で、それをもって建築確認申請を行い、現場が始まります。監理は現場で建築物が作られていくフェイズですが、あくまでも作るのは施主と契約した工務店であり、設計者は図面通りに工務店が作っているかどうかをチェックする仕事です。そういう意味でも図面というものは、建築家にとっての基本的な成果物であると言えます。その図面をもって工務店と施主が契約しているので、形式的には現場監理の段階で建築家が図面外のことを工務店に指示するとなると、それは越権行為です。あくまでも図面として既に成果物が出来上がっているからです。現実的には、図面通りに作ろうとしても作れないだとか、不具合がありそうだということが現場の段階で分かることも多々あるので、それはフレキシブルに対応することになります。

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