4-8. 階段 (9)

同じくフランソワ1世がロワールにつくった居城、シャンボール城にとても面白い階段があります。

図4-8-9:シャンボール城

図4-8-9:シャンボール城

四角い城壁が広大な庭の中にぐるりと廻っていて、4つの頂点に塔が建っています。表からアプローチして、奥の1辺に隣接するように同じく四角い本丸部分がくっついていて、そこには数多くの小さな塔が林立しているというなかなか見たことのない構成の建物です。上の写真は裏側から見たものなので、本丸と城壁が一体化してみえています。
さてその本丸部分は十字形に4つの部分に分節されているのですが、その中心にあるのがこの二重螺旋の階段です。

図4-8-10:シャンボール城の階段

図4-8-10:シャンボール城の階段

二重螺旋といえばDNAの形態を説明するときによく聞きますが、階段を二重螺旋にすると1つのフロアに対して登り口が2つあるということになります。そのメリットは例えば上りと下りの使用を分けてしまえば、人とすれ違わないということがあります。当時の貴族女性の服装を想像するに、すれ違うと互いの裾があたるので、こうした配慮がなされたと考えても良いかも知れません。あるいは一方をパブリック、一方をプライベート用とすれば、公私が混同した、客の多い当時の宮廷において、僅かばかりのプライバシーの確保ができると考えても良いでしょう。
ちなみにこの階段はフランソワ1世が迎えていたレオナルド・ダ・ヴィンチがデザインしたと言われています。

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