4-14. 窓 (2)

テントとピラミッドの例で考えて、「内側」と「外側」なり、「こちら側」と「あちら側」なり、空間を何らかの形で分節しているとそれは建築であると、ここでは仮に考えておきます。その分節をしている垂直の要素が壁であり、水平の要素が床や屋根になります。ここで「こちら側」と「あちら側」という関係と「内側」と「外側」の関係を考えるとそれは「場」が囲われているかどうかであると考えて良いでしょう。分節によって1つの場が2つに分けられているのですが、それが隣接するような関係であれば「こちら側」と「あちら側」の関係になり、包含関係にあれば包含される側が「内側」となり、包含する側が「外側」となります。空間の関係は究極的にはこのような2つの関係に収斂していきます。位相幾何学でより詳細な議論はあるのでしょうが、とりあえずの議論はここで止めておきます。
ここでようやくこの稿の本題に入ります。抽象的な議論からまた具体的な例に戻ると、これら隔てられた2つの場を改めて繋ぐモノが建築物では建具とよばれる、窓であり扉となります。

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