5-5. 耐火被覆 (5)

最近では耐火塗料と同様の薄さを実現する耐火シートというものも作られるようになっています。メカニズムとしては耐火塗料と同様に火災時に発泡するタイプのものです。既製品ですので耐火塗料との大きな違いはシートを巻くだけの施工となるので、耐火塗料のように職人の手によって仕上がる品質よりも安定するということです。また湿式ではなくなるので周辺に塗料を飛ばす心配もありませんし、工期的にも巻くだけなので多くの時間をかけずに済みます。ただし、やはりコストが高くつくので限定した場所での使用となることが多いようです。
シートではなくて乾式の工法で最もポピュラーなやり方は、ケイ酸カルシウム板を巻く工法です。畑の肥料にも使われるケイ酸カルシウムを主材料としていて、耐水性能などもあるので内装の水廻りや軒天、外壁の下地などにも使われます。板状のものを柱や梁廻りに巻く形になるので、吹付け系の仕上げとは違いきっちり箱型の仕上りになります。

図5-5-3:ケイ酸カルシウム板

図5-5-3:ケイ酸カルシウム板

以上の他にもいくつかの認定の取れた耐火被覆材があります。建築家は常々なるべく柱を細くみせたいといった思いがありますが、それは構造材と同時にこの耐火被覆での対応というのが大きく影響してきます。

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