2-3. 近代/ビルディングタイプ (4)

2-1、2-2で近世までのオフィスについて記事を書きました。そこで資料として挙げていたのは主に絵画で、かつインテリアとしての空間についてでした。というのは、それまでは現代にみられる様なオフィスビルというビルディング・タイプは成立していなくて、オフィスというのは建物の一部を占める部屋だったからです。つまり宮殿なり城、商店なり、その他のビルディング・タイプの一部として存在していたものであって、主としてオフィスが建物全体を占める様な建築の型は存在していなかったと言えます。これは一般的な建築史を振り返ってもそうですし、例えばみなさんがヨーロッパに旅行に行って、見学に訪れる建物を思い返してみれば分かるかと思います。日本と比べるとヨーロッパには近代以前の建物が多く残っていますが、パリで考えればノートルダム寺院などの宗教建築やルーブル美術館、ベルサイユ宮殿など、元々は王侯貴族の建物ばかりです。(宮殿は貴族の生活の場であると同時に、執務の場であり、社交の場でもある多様な用途を包含したビルディング・タイプでした。)

図2-3-3:ルーブル美術館

図2-3-3:ルーブル美術館

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