2-4. 近代/オフィスビル (5)

一般的に世界初の高層ビルと呼ばれているのは1884年にシカゴで建ったHome Insurance Buildingです。

図2-4-4:Home Insurance Building

図2-4-4:Home Insurance Building

一般的にそう呼ばれているものの、実は建設前後(42m)も、また後に2階分増築した時(55m)にも、当時最も高いビルになったということでは無い様です。では何故そのように呼ばれているかというと、恐らくは新古典主義的な建築の立面の構成から初めて解放されたからではないでしょうか。例えば1870年にはニューヨークでEquitable Life Assurance Buildingという高さ40mのビルが建てられており、一説にはこちらが最初の高層ビルだと言われていますが、写真を見ても分かるように、どこかオスマニアン風の旧来の古典主義の範疇で語られ得るデザインとなっています。

図2-4-5:Eauitable Life Assurance Building

図2-4-5:Eauitable Life Assurance Building

一方でHome Assurance Buildingを見てみると、当時では最先端の鉄骨造を使用していることもあり窓の面積が大きく取られていますし、古典建築のボキャブラリーを抑制して、シンプルなファサードを構成している点が、旧来の様式から抜け出した新しいビルディングタイプの萌芽を感じることが出来ます。
社会的な要請とともに、当時、高層ビルを成立させるにあたっては、鉄骨造という構造技術の発展や(この建物にはまだ設置されていなかったと思いますが)エレベーターという垂直方向への移動の機械が発明されたことなど、技術面での発展も大きな要因の1つです。
本稿では、引き続き19世紀末から20世紀にかけてのオフィスビルの具体例を見ていきたいと思いますが、現在にも通ずるオフィスビルの潮流というものは、今回紹介したこの時代に求めても良いのではないかと思います。

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