3-1. ルイス・サリヴァン (1)

3. 近代以降のオフィスビル

前回まで「オフィスの歴史」ということで、古代から近代にかけてオフィスに関する歴史を辿りましたが、近代以降は具体的に個々のオフィスビルについて書いていきます。
ルイス・サリヴァン[Louis Sullivan]は1856年生まれのアメリカ人建築家です。“スカイスクレーパーの父”や“近代建築の父”との異名をもつ建築家で、「形態は機能に従う(Form ever follows function.)」という格言を残したことでも有名です。キャリアの当初は劇場の設計で有名になりましたが、その後、高層ビルなどを手がけています。

図3-1-1:Guaranty Building

図3-1-1:Guaranty Building

Guaranty(Prudential) Buildingは彼が設計した初期のオフィスビルの1つです。ニューヨーク州バッファローに1894年に竣工しています。ニューヨーク州と言っても五大湖にを望む少し内陸に位置し、20世紀初頭の時点で人口50万人のアメリカでも有数の都市だったようです。民間のオフィスとして建てられ、鉄骨造12階建て、白黒の写真なので分かり難いですが、煉瓦色をしたテラコッタタイルで外装が覆われています。

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