4-2. 自動ドア (2)

自動ドアの有名メーカーと言えば国内シェアの半分を占める「ナブコ」が有名ですが、その技術的な特性もあって国内の製造メーカーは9社程度に限られています。ナブコは昭和28年にアメリカのNational Pneumatic社とドアエンジンの技術導入契約を結んだのを契機に、昭和30年代に入ってから徐々に国内の建物に導入され始めました。Pneumaticは「空圧」を意味している様に、当初は空圧式であったり、または油圧式のシステムで、電動式のものは時代が下がってからのこととなります。それ以前には蒸気機関やエレベーターと同じく、軍事目的や産業用に開発された技術で、昭和初期に軍艦に、1926年には山手線の車両に導入されたとの記録が残っているようです。1926年と言えば大正15年に当たりますので、建築に利用される30年以上前のことです。
自動ドアと言えば現在では戸がスライドして開く方式が主流ですが、アメリカでDee HortonとLew Hewittによって発明されたのは1956年(昭和31年)のことになります。正確な資料が残っていないのですが、つまり上述の自動ドアの先駆け達はスライド式ではなくて、折り戸や開き戸といった軸回転系の開閉方式だったのだろうと想像ができます。

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