6-1. 机 (3)

フランスに関していえば、その後の机の変遷は主に権力者の趣向の変遷と言ってもよく、原則的な部分では大きな変化はありませんが、装飾的に様々な変化を遂げています。

図6-1-3:ルイ15世様式の机

図6-1-3:ルイ15世様式の机

ルイ15世様式の机はその前の重厚な机から軽やかな印象になっています。これは当時のロココ趣味が反映されていて、足が美しい弧を描いています。また突き板の技術もこの頃には完成しているようで、表面材を様々な方向に貼り分ける意匠ということもできるようになっています。上の写真では見られませんが、象嵌の技術も16世紀から次第に発展してきて、この時代の家具の装飾の特徴を作っています。

図6-1-4:ルイ16世様式の机

図6-1-4:ルイ16世様式の机

この時代になるとロココ趣味も終って、新古典主義に変わってきています。大きくは足の部分と天板+引出しの部分に分節されて、直線的で装飾が少ないものになっています。足は地面に着く方向に向かって細くなっているのは、力学的にも理に適っていて、かつ軽快な印象をつくっています。

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