6-1. 机 (4)

フランスではルイ16世の治世にフランス革命が起こった後も、共和制や帝政、王政復古など政治体制が安定せず、コロコロと時代が変わりました。机の様式もそれに伴って、帝政様式、ルイ・フィリップ様式、第三帝政様式などと様々な意匠がなされていましたが、趣向が変化していっただけでラディカルな変化というものはあまり見られません。

図6-1-5:アール・ヌーボーの机

図6-1-5:アール・ヌーボーの机

言うなれば意匠の遊戯とでも言える状況のクライマックスが、アール・ヌーボーの机と言ってもよいように思えます。
アール・ヌーボー[art nouveau=新しい芸術]では、昆虫や植物など自然界にあるモノをモチーフに建築や家具などを自由に構成しました。それまでは王室や皇帝のための机だったものから、共和制の時代となっていたので、クライアントはどちらかと言えば金持ちの民間人だったでしょう。そのため様式というよりは、作家個人の想像力を自由に働かすことが出来たため、このような造形も可能になったのでしょう。しかし、この場合においても机の本質、即ち平たい天板があるという点は担保しつつ、足の部分や収納の意匠を操作するということで、それまでの机とは大きくは変わりません。

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