6-2. 椅子 (7)

ルネサンス期にデザインされた椅子のタイプの1つとして、Caquetoire「カクトワール」と言うものがあります。

図6-2-13:カクトワール

図6-2-13:カクトワール

フランス語でCaqueterという動詞が「おしゃべりをする」という意味がありますが、女性が暖炉の前でおしゃべりをするためにデザインされた椅子なので、その様な名前がつきました。当時の女性は冬の寒さ対策の為にボリュームのあるスカートを何層にも重ねて穿いていたそうで、下半身はスカートのボリュームがすごかったそうです。

図6-2-14:ルネサンス期のドレス

図6-2-14:ルネサンス期のドレス

当然、普通の椅子に座ろうとしてもお尻が入りません。座面を手前に広がる様な台形にすることで快適に座れるようにデザインされたのがカクトワールです。素材もオークが主流だったのが、彫刻をしやすいウォールナットが多く使われたそうです。
このようにルネサンス期には玉座のような権威的な椅子や、それと正反対の腰を掛けるだけの質素な台の様な椅子とは少し趣の違う、身体がリラックスできる座り心地に配慮した椅子がみられるようになります。

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