8-1. 高さ制限 (8)

「高度地区」の制限の内容をみてみるとかなり「斜線制限」に似通った内容となっています。「高度利用地区」という土地の高度利用を目的とした内容もありますが、主たる内容はほぼ「斜線制限」と変わりがないでしょう。

図8-1-2:高度地区(渋谷区)

図8-1-2:高度地区(渋谷区)

「高度地区」は都市計画法第8条によって定められていますが、この第8条ではその他、都市計画にまつわる地域地区についても位置づけています。本稿で度々言及している住居地域や商業地域といった「用途地域」もその地域地区の1つですし、景観地区、風致地区、防火地域と準防火地域なども、この都市計画法第8条によって定められています。
「用途地域」も都市計画法で定められてそれが「斜線制限」などに繋がっているので、「高度地区」の存在意義が分かり難いものとなっていますが、そもそも法の成り立ちとしてこれらは大きく違います。「斜線制限」はあくまでもその制限の内容は建築基準法で定められていて、その適用範囲を都市計画法に則るという話ですが、「高度地区」についてはその制限の内容が法文上では明確に謳われている訳ではなく、その対象となるエリアとともに各自治体によって定められます。そういう意味で、建築基準法で定められた画一的な制限内容から、より地域の事情を反映した制限内容にできるというメリットがあるのでしょう。

最新記事40件を表示