8-3. 火災 (9)

また避難の安全上の観点から「直通階段」という概念があります。これはその階段を下りて行って直接、地上の屋外に出られる階段ということです。当たり前のことのように思いますが、火災が起こっていてパニックになっているときに、階段を下りて行ったのに屋外に出られなかった、なんてことがあったら本当に大変なことです。
ちなみに一定規模以上の建物には誘導灯(緑色のランプで人が走っているピクトグラム)の設置がなされますが、誘導灯は直通階段など避難上有効なルートに誘導するためのものです。

図8-3-2:誘導灯

図8-3-2:誘導灯

話がズレました。階段が直通階段となるには地上の屋外に出られるということがありますが、規模が大きな建物の場合、その階段までの距離が遠すぎて避難出来ないということでは本末転倒ですので、建物の各部分から直通階段までの距離が条件により定められています。その条件は主に建物の用途、主要構造部が耐火構造あるいは不燃材か否か、その階の階数で定められていて、例えばデパートの場合は建物の各部分から直通階段までの距離は30m以内にしなければならないということになっています。

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