9-4. NEWS X (2)

図9-4-1:京橋1892

図9-4-1:京橋1892

グーグルアースで現在の衛星写真の上に古地図を重ねることが出来ます。東京の場合は1680年以降いくつかの古地図があるので、その土地の履歴として場所を読み取ることができます。上図はその古地図のうちでも最も新しい1892年の敷地周辺のものです。地図の精度がまちまちなのですが、1680年以降はこの周辺は街の骨格が変わることなく、現在のグリッド上の街区のルーツがかなり古いものであることが分かります。

図9-4-2:京橋2014

図9-4-2:京橋2014

さて、古地図にはお堀に面した個所は街区を跨いで「本材木町三丁目」という表記になっています。お堀経由で運んできた材木を取り扱う材木屋が集まっていた場所なのでしょう。現在は昭和通りと首都高速に挟まれた場所です。現在の昭和通りとNEWS Xの敷地がある街区は「因幡町」という名称でした。因幡の国は現在で言えば鳥取市とその近くの群に対応し、室町時代以降は長く山名氏の領地で、一時期は尼子氏、江戸時代以降は池田氏が治めていた領地です。もしかすると、因幡出身の人々が集まって住んでいたので、このような名前がついたのかもしれません。
※前回の記事で昭和通りがお堀であったと書きましたが、それは誤りでしたので訂正致します。首都高速道路が走っている個所がお堀と対応していて、昭和通りは過去の街区をぶった切って出来ています。NEWS Xが建っている街区が西の街区のグリッドと比べて長手方向が短いのは、元々は街区が昭和通りまであったからでした。

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