5-4. カーペット (4)

カーペットの歴史の最古の頃から産地は西アジアだったようですが、今でもペルシア絨緞という言葉があるほど、長い間、カーペットといえば西アジアで作られるものが多かったようです。特にイスラム教が誕生した7世紀以降は偶像崇拝が禁止されたこともあって、イスラム社会が絵画や彫刻といった芸術から、織物や陶芸といった工芸品の上に幾何学模様を発達させていったということは、カーペットの発展の理由の1つだと思われます。そしてシルクロードが東西の世界を繋いでいた時代に、その道の要所で織られたカーペットが2つの方向に輸出されるにうってつけの商品だったことは想像に難くありません。
(TVで特集もされていましたが)先日行われた京都の祇園祭で山鉾と呼ばれる山車が、昔からカーペットで飾られていますが、あれも17世紀にポーランドを経て(故にポロネーズ絨緞と呼ばれる)オランダ経由で鎖国中の日本に入ってきた商品が、いつの頃からか祇園祭の山鉾を飾るものとなっています。

図5-4-2:山鉾

図5-4-2:山鉾

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