9-4. NEWS X (8)

本稿の前半に敷地周辺の古地図などを参照しましたが、古くよりこのエリアはきれいな長方形のグリッドで街が区切られていました。街路は当時のまま現在も残されており、敷地の分割も長方形の長手がそれぞれ道路に面する形で南北に分筆されているところが殆どです。つまり道路に対する間口はそれぞれ違うのですが、敷地の奥行きは概ね同じようになっています。
このエリアは用途地域としては商業地域に指定されていて、隣地斜線は31mの立上がりの後に1対2.5の斜線がかかります。一方で道路斜線はというと、長方形の街区の長手が面している道路幅員が8mということがあり、セットバック無しだと接道面で高さが12mとなります。容積率は700%や800%という数字が設定されていて、かなりの容積が取れる設定なのですが、道路斜線がどうしてもかかってきてしまうので、手前で3〜4階、奥に向かって徐々に高くなり、6階建て程度の高さの建物が並ぶような建築基準法の枠組みになっており、結果まさにそのような街並が広がっています。

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